日本政府観光局によると、平成28年に日本を訪れた外国人観光客は、過去最高の約2404万人。中でも、東南アジアからの訪問者は250万人を超えており、ムスリムが6割を占めるマレーシアから39万4千人(前年比9万人増)、9割を占めるインドネシアからは27万人(同7万人増)が来日している。
 2020年東京五輪に向け、国内ではムスリム対象のサービスの充実に取り組む企業などが増加。イスラムの教えで許される規範に適合した「ハラル」食の提供や、礼拝に使う祈祷(きとう)室の設置などが各地で進んでいる。

 松山市で和装商品を扱うアパレルメーカー「ふく紗」は昨年3月、全国に先がけて着物生地からムスリム女性向けに仕立て直したリメーク服を商品化。イスラム圏を観光や仕事で訪ねる日本人が土産用に購入するケースが大半という。

 同社の伊東信二社長(57)は、「インドネシアでは、レーヨンで作った着物柄のプリント生地が大量に売られており、着物に対する関心は高い。『本物の着物』という付加価値は最大の魅力」と指摘。「奈良は外国人観光客も多く、着物ヒジャブを通して日本文化を発信するには最高の土地ではないか」とした。
http://www.iza.ne.jp/smp/kiji/life/news/170703/lif17070315400010-s1.html