中国とベトナムが領有権を主張して対立する南シナ海のパラセル(西沙)諸島
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【シンガポール=吉村英輝】英BBC放送(電子版)は5日、中国も領有権を主張する南シナ海海域で、ベトナムが石油探査に向けた海底掘削に着手した、と報じた。
この探査をめぐっては、中国人民解放軍首脳が激高し、訪越日程を切り上げた経緯がある。報道が事実であれば、ベトナム政府は、中国側の猛抗議を無視して掘削を強行したことになり、中国による報復も予想される。

シンガポールの石油コンサルタントの話として伝えた。ベトナム南東部の南シナ海の鉱区開発権を持った国際石油会社が、委託した探査船で先月21日、ベトナムから約400キロの海底掘削を始めたという。
別の関係者は、ベトナム政府は過去3年間、中国を刺激することを避けるため、同社に掘削許可を出さなかったとしている。BBCは、中国との衝突リスクが弱まったと判断したベトナム上層部が、「大胆な行動」に出た可能性を指摘した。

同鉱区と重複する海域では、中国も独自に権益を設定し、中国共産党の幹部が名を連ねる香港の石油会社が2014年、開発権を購入しているという。

ベトナムの石油探査の動きを受け、人民解放軍制服組トップの范長竜・中央軍事委員会副主席は6月18日、ハノイでのベトナム首脳らとの会談で中止を要求。
だが拒否されて激高し、20日から予定していた二国間防衛対話などを突然キャンセルして出国した。

配信 2017.7.5 17:50更新
産経ニュース
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