県がまとめた2016年末の県内配置薬販売従事者数は、前年比109人減の718人となり、5年連続で減少した。
高齢化と後継者不足に加え、ネット販売やドラッグストアの拡大が要因となり、減少に歯止めがかからない。
県薬業連合会(中井敏郎会長)は、次世代に仕事の魅力を伝えるとともに、配置薬振興委員会で、市場とライフスタイルの変化に対応した業界の在り方を検討し、活性化策を探る方針だ。 (経済部・池亀慶輔)

都道府県別の順位は昨年と変わらず4位だった。配置販売業者と配置員を合わせた全国の従事者数は1693人減の1万5928人。
従事者が最も多かったのは前年と同じ北海道で1006人。2位は愛知の794人、3位は東京の723人だった。

富山は13年に2位から3位、さらに15年に順位を一つ下げた。09年施行の改正薬事法に基づく従事者(新配置)は5人減の258人、旧法に基づく従事者(既存配置)は104人減の460人だった。 
県薬連によると、今回は2年ごとに期限を迎える従事者の身分証明書を更新しなかった人数が反映されるため、減少幅が前年より大きかったという。

県内の配置従事者は、1961年の1万1685人をピークに減少傾向が続く。2011年は法人化した販社に雇用される配置員が増えたため微増に転じたが、再び減少傾向となり、13年に初めて千人を下回った。
高齢化が背景の一つにある。全国配置薬協会(全配協)によると、県内の既存配置販売業者338人の平均年齢は71歳で、年々高まる傾向にあるという。

ドラッグストアの拡大や一般用医薬品のネット販売解禁を受け、配置薬の需要減が進む。新たに開業したり、法人販社に就職したりする人数が伸び悩んでいる。
全配協によると、昨年末時点で新配置の県内配置員146人(平均年齢43歳)のうち20代は29人にとどまる。

県薬連は、メーカーでつくる配置薬振興委員会を設け、製販両面で活性化に力を入れる。
高田吉弘専務理事は「県内薬業のルーツである配置薬の精神を大事にしなければならない」とし「就業体験を含めた若者向けの講座や全国主要都市でのPRイベントを検討したい」と話した。

富山と全国の配置薬販売従事者
http://webun.jp/images/item/7381000/7381115/48781cc0-5b65-4fe2-ab53-06e1cb750c8d.jpg

配信 2017年07月05日 05:00
北日本新聞
http://webun.jp/item/7381115