http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20170708/CK2017070802000023.html
 紫色の染料や軟膏(なんこう)剤などに使われてきた薬草「ムラサキ」の白い花が、各務原市川島竹早町の
内藤記念くすり博物館の薬草園で満開を迎えた。かれんに咲く姿が、訪れる人の目を楽しませている。

 花は白いが、紫色の根が染料になることから名前がついた。漢方薬の軟膏剤「紫雲膏(しうんこう)」にも用いられ、
江戸時代まで栽培も盛んだったが、明治時代に合成染料が流通すると栽培数は減少。
現在は国内にほとんど自生しておらず、環境省レッドリストで近い将来、野生での絶滅危険性が高い分類の
絶滅危惧1B類に指定されている。

 館では希少となったムラサキを多くの人に観賞してもらおうと、今年春、約四十株を薬草園に栽培し始めた。

 見頃は今月いっぱいまで続きそう。栽培を担当する亀谷芳明さん(41)は
「万葉集にも歌われ、古くから日本人に親しまれてきた草花。咲く姿を通して歴史を感じてもらえたら」と話している。