梅の生産量が日本一の和歌山県で、田辺市とみなべ町の高級品種「南高梅」の梅干しが農家の倉庫から10キロ入りのたるごと盗まれる事件が相次いでいる。

 5月にはたる67個が盗難。県警や地元JAによると、平成26年以降で被害は8件目、総量は計約13トンに。闇ルートの他、正規流通に紛れ込んだ可能性もあり、県警は窃盗容疑で捜査している。

 「悔しい。高く売れるものが狙われた」。昨年11月、倉庫からたる約300個、約3トンを盗まれたみなべ町の男性(62)が話した。出荷前日の最上の「A級」ばかりで被害総額は約210万円に上った。

 地元JAによると、梅は近年、ダイエット食品として注目。南高梅の梅干しは例年A級10キロ当たり5千〜6千円だったが、昨年は約8千円の値が付いた。

 農家は完熟梅を塩漬けし、天日干しした後でたる詰めする。8件はこの段階で盗まれたが、塩抜きや味付けが必要で、これらの作業を担うJAや梅干し加工業者などに売却された可能性があるという。
http://www.sankei.com/affairs/news/170709/afr1707090004-n1.html