西日本新聞7/9(日) 9:27配信
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「生きた心地がしなかった」。冠水や土砂崩れで道路が寸断され、孤立していた大分県日田市小野地区の住民が8日、陸上自衛隊ヘリコプターで救助された。今にも崩れそうな山々に囲まれ、電気も電話も通じず、夜は暗闇の中で耐え続けた3日間。日常の尊さをかみしめ、家族や友人との再会を果たした。

午後5時ごろ、日田市陸上競技場に到着したヘリコプターから降りた井上暁登(あきと)君(7)は「寂しかった。会えてうれしい」と両親に何度も抱きついた。母智香子さん(41)は涙を流してほおずりした。「大好きだから」。用意した唐揚げとお菓子、ジュースを渡した。

5日の豪雨で、仕事に出ていた両親は小野地区に戻れなくなった。暁登君は兄、祖父母と地区から出られず、自宅で救助を待った。電話は通じず、両親は災害状況を伝えるニュースに触れるたび不安を募らせた。「子どもたちがヘリに乗って帰ってこないだろうか」。両親は7日も自衛隊ヘリの発着場となった競技場で待ち続けた。