山形・秋田の両県にまたがる鳥海山(2236メートル)の山頂付近にたたずむ鳥海山大物忌おおものいみ神社(山形県遊佐町吹浦)で、20年ごとに本殿を建て替える儀式「式年造替しきねんぞうたい」が厳かに執り行われた。

 日夜の「本殿式年遷座祭せんざさい」では、新しい本殿にご神体がうつされ、儀式が締めくくられた。

 鳥海山は古くから信仰の対象で、「大物忌神」として崇拝されてきた。江戸時代前期には、既に式年造替を実施していたとの記録も残っている。

 新しい本殿は、高さ約2・1メートル、幅と奥行き約1・95メートル。梁はりなど一部は、2013年に社殿を造り替えた伊勢神宮(三重県伊勢市)から譲り受けたヒノキの古材だ。

 本殿式年遷座祭では、月の明かりに照らされる中、本殿までの通路に白い幕が張られ、神職らは、ご神体と本殿に入っていった。

 ご神体をうつす役割を担った高橋広晃宮司(62)は「遷座を経たことでさらにご神威を高め、参拝者の安全を見守っていただきたい」と感慨深げに話した。

http://yomiuri.co.jp/national/20170708-OYT1T50148.html
白幕に覆われてうつされるご神体(8日午後7時20分、山形県遊佐町吹浦の鳥海山大物忌神社で)
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