産経ニュース、2017.7.10 20:28更新
http://www.sankei.com/affairs/news/170710/afr1707100038-n1.html

 埼玉県川越市で平成24年、同級生から暴行を受けて寝たきりになった当時中学2年の男性(20)と母親が、「いじめを放置した」などとして、市と同級生らに損害賠償を求めた訴訟は10日、東京高裁(永野厚郎裁判長)で和解が成立した。市によると、市と同級生側が男性側に解決金約1億9700万円を支払う内容。

 1審さいたま地裁川越支部判決によると、男性は24年1月、中学近くの公園で同級生3人から暴行を受けた。同支部は、暴行はいじめの一貫で、教員らは男性の生命・身体に危険が生じることを予見できたのに、生徒指導などの適切な措置をとらなかったと指摘。市と同級生に約1億4800万円の賠償を命じたが、双方が控訴していた。

 高裁は1審の判断を支持する見解を示し、今年4月から和解協議が進められていた。解決金は、1審の賠償額に遅延損害金が加わった。

 原告側代理人によると、男性の母親は和解を受け入れ「男性の介護を続け、できるだけ長い時間一緒にいたい」と話したという。川合善明市長は「市の過失が事件につながったと重く受け止める。再発防止に向け努力したい」と話した。