2017.7.12 09:03

日航が新たに導入した、体の不自由な乗客をシューターで脱出させる訓練=5月、羽田空港内の日航訓練施設 日航が新たに導入した、体の不自由な乗客をシューターで脱出させる

 旅客機からの緊急脱出時に使う滑り台のような装置「シューター」を、体が不自由な人たちも安全に利用できるようにするため、日航が新たな訓練を導入した。脱出の際は客室乗務員(CA)が後ろに座り、一緒に滑り降りることで安全を確保する。従来は1人で降りてもらうことになっており、けがをする危険性が高かった。同社が12日、明らかにした。

 2020年東京五輪・パラリンピックに向け、「空のバリアフリー」は航空各社共通の課題。しかし6月、鹿児島県の奄美空港で、車いすの男性がタラップでの介助を受けられず自力ではって上る問題も起き、取り組みは急務となっている。

 日航と同様の訓練は、他の航空会社にも広がりを見せ始めており、国土交通省は「旅客のニーズに即した訓練だ」として評価している。

 日航によると、新たな訓練は今年4月に導入。パイロットとCA全員を対象に、年に1度の定期訓練の際、教官が実演して周知すると決めた。

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