メスのメダカはオスの「顔」を認識していることを実験で確かめたと、東京大や岡山大の研究チームが発表した。

 人間と同様、目や口などの配置を顔として認識する能力が哺乳類以外の動物で確認されたのは初めて。論文が11日、オンライン学術誌「イーライフ」に掲載された。

 メダカのメスは見慣れたオスを好む傾向がある。チームはまず、メスが体の模様やにおいではオスを見分けられず、顔だけで識別し、見慣れると約30秒で交尾を始めることを確かめた。その上でオスとメス1匹ずつを同じ水槽に入れ、特殊な装置にオスを閉じ込めて顔を上下逆に映すガラスを通した状態で「お見合い」をさせると、交尾をするまでに約100秒かかった。

 顔を上下逆にすると、認識するのに時間がかかる心理現象は「倒立顔効果」と呼ばれ、目や口など顔全体の配置を認識する人間や一部の霊長類などにしか生じないとされていた。メダカは、顔以外の物体は見分けることができず、顔だけで倒立効果が出ることも確かめている。

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http://yomiuri.co.jp/science/20170712-OYT1T50045.html
水面を境に上下逆転したオスのメダカの顔(動物写真家の藤原英史氏提供)
http://yomiuri.co.jp/photo/20170712/20170712-OYT1I50019-1.jpg