民進党の蓮舫代表が13日に行った記者会見で、司会役を務めた芝博一幹事長代理が労働基準法改正案に関するフリー記者の質問の一部を「ふさわしくない」と断じ、議事録からの削除を一方的に表明した。
これに対し、フリー記者本人のほか、他の記者も猛反発した。芝氏が問題視した質問の中身とは…。

蓮舫氏は記者会見の前半で、日本国籍と台湾籍の「二重国籍」問題について、台湾籍の離脱を証明する公的書類を開示すると明らかにした。
会見場はピリピリした空気に包まれていたが、「二重国籍」とは別の問題で記者の一部が芝氏に反発した。

発端は、フリー記者の質問内容を芝氏がとがめたことだった。この記者は蓮舫氏に対し、政府と労働基準法改正案の修正に応じる方針を示したと報じられた民進党最大の支持団体である連合の神津里季生会長の評価を求め、こう質問した。

「連合会長が官邸を訪れて修正を申し込むのは(法案)成立に応じることだ。国会内での闘争を後ろから鉄砲を撃つようなもので、非常に人としてどうかと思うが、連合発足以来、最低最悪の会長だ。代表はどうみるか」

蓮舫氏は当たり障りのない回答に終始したが、その直後、芝氏が横やりを入れて「会見の場にふさわしくない発言があった。ここは議事録から抹消する」と宣言した。

議事録とは、民進党が記者会見後にホームページに掲載する会見のやり取りを指しているとみられる。
ただ、蓮舫氏の記者会見は毎回、インターネットで配信されており、この日も「最低最悪の会長」などの質問はそのまま流れた。

質問した記者が芝氏に抗議すると、別のフリー記者も「どの部分がふさわしくないのか」などと加勢し、一時収拾がつかなくなった。

「最低最悪の会長」との表現は記者会見でめったに聞かれない表現ではあった。記者の質問とはいえ、党のホームページにそのままやり取りを掲載することは、連合をおとしめることになるかもしれない。

とはいえ、記者会見の司会役が記者の質問内容を一方的に問題視するのも極めて異例だ。芝氏にとっていささか過剰な対応だったのではないか。

芝氏は13日の蓮舫氏の記者会見で、「二重国籍」に関わる質問についても「18日に改めて説明する」ことを理由に制限した。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170714-00000504-san-pol