産経ニュース、2017.7.17 12:00更新
http://www.sankei.com/premium/news/170721/prm1707210002-n1.html

長野県と秋田県、ともに日本酒と辛い漬物を好む県ながら、長野県民は長寿で秋田県民は短命−。厚生労働省が6月にまとめた、年齢構成の異なる地域間で、人口10万人に対する死亡率を比較した「年齢調整死亡率」でそんな実態が浮かび上がった。野沢菜を食べる長野が健康寿命で日本一の一方、大根の漬け物を燻製にした郷土料理のいぶりがっこを食べる秋田がワースト上位である理由とは。背景をひもとくと意外な県民性の違いが浮かび上がる。

秋田市中心部の商業施設に開店して2年半の「あきたタニタ食堂」は、一食約500キロカロリーの健康ランチが売り物。だが本家の東京・丸の内タニタ食堂に今も長蛇の列ができているのに「秋田版」の客足はさえない。昼時こそ盛況だが多くは年配女性で最近、満席になることはない。「客足は想定の半分程度」と運営元・あきた食彩プロデュースの担当者は肩を落とす。「せっかく外食するなら健康に気を使うより、手の込んだ物を食べたいという県民性があるかも」と桐生晶子マネジャー。

秋田は厚生労働省がまとめた平成28年の人口動態統計(概数)では出生率▽死亡率▽出生数から死亡数を引いた自然増減率▽婚姻率▽死因別死亡率のがん▽脳血管疾患▽自殺率−の7項目でワースト1である。県人口は4月、87年ぶりに100万人の大台を割り、少子高齢化と人口減少に歯止めがかからない。

年齢調整死亡率をみると最低は男女とも長野で健康寿命が長い。秋田は男性でワースト2位。病名別で秋田はがん(悪性新生物)で男性ワースト2位、女性で3位だ。