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――昨年11月に広域的という条件が入った段階で、「石破4条件」は大学としてはクリアしたと考えていたか。

我々としては、蓄積してきたノウハウを盛り込んで、ライフサイエンスに強い獣医系学部を作るという最善のものを用意したつもり。それが4条件をクリアしたかは、審査される側の話なのでコメントするところではない。

――「広域的」というのは、自分たちは資格があると判断したか。

先ほども答えたが、この言葉で対象外になったとはその時点では考えていなかった。

――今年1月4日の告示の段階でひっかかったのは、時期という一点だけか。

そうですね。時期。その時期の開設は無理だった。

――人材確保が重要という意味では、加計学園の方が平成30年を見越して集めていたと感じたか。

それはわかりません。私どもは集めることはできなかった。

――大学として断念の発表は悔しいか。

獣医学部ができなかったのは非常に残念ではありますが、ライフサイエンスの研究を発展させるのも、私たちの大きな目標だったので、生命科学の分野でいい学部の申請ができたのではないかという喜びも持っている。

――一連の騒動の中で思うところは。

私どもは、獣医学部ができなかったというところで、次の方向に、スピード感がある大学運営が求められているので。
非常に残念だが、次の構想に行くということで新しい方向に向いている。
色々、社会の状況はあるようだが、自分たちのいい学部を作るのが大事。新しい学部の構想を発表に至るということで満足している。

――納得できない部分は。

特にございません。告示の内容に照らして、私たちが間に合わなかった。

――先だって安倍首相から全国展開の話があったが、大学としては新学部にかじを切ったから、獣医学部は将来的に難しいと判断したのか。

私たちが生命科学系の学部を改組するというのは、もっと早い段階でかじを切っている。

――大学として決定について、方針を見直すことにはならないか。

ございません。

――開学の時期で平成30年4月は予期しなかったということだが、これまでもワーキンググループの諮問会議の委員は、
特区とはスピーディーにやるもので、最短の時期は平成30年4月は前提のようだった。
京都府や京産大は、最短の時期で平成30年4月の開学というのは、計画を練る中で頭になかったのか。

平成30年4月開学は考えていない。国家戦略特区の岩盤規制に穴を開ける、開けないが決まっていない段階。
認定されても、そこから文部科学省の認可申請をクリアする必要がある。
通常の単独申請ならば、文科省への申請が認定されれば、学部が開設できるが、今回のケースは違う。
大学がその準備をするスタートは、そこを確認したうえでないと、人、建物、設備は整えられないと感じていた。
スピーディーをどうとらえるかだが、我々は平成30年4月は意識していなかった。

つづく