ハッブル宇宙望遠鏡の後継機と位置づけられるジェームズ・ウェッブ望遠鏡の打ち上げに向けた準備が進んでいる。米航空宇宙局(NASA)は11日、ジョンソン宇宙センター(米テキサス州・ヒューストン)の試験施設に望遠鏡をつり下げた様子を公開した。

 ジェームズ・ウェッブ望遠鏡は2018年以降に打ち上げ予定で、主鏡は直径約6・5メートル。宇宙誕生のビッグバンから約2億年後に輝き始めたとされる「ファーストスター」を捉えることがミッションの一つで、非常に暗い遠くの物体からの赤外線を検出する必要がある。

 試験では、宇宙環境に似せた、零下約250度の極低温試験用の施設を利用。約3カ月をかけて、赤外線を検出する能力などを確認するという。

 NASAによると、今回の試験施設「チャンバーA」(直径16・8メートル、高さ27・4メートル)は、1965年に建築され、アポロ計画の司令船などのテストに使われた歴史を持つ。今回の試験のため、太陽を想定した高輝度ランプなどアポロ時代の機器が取り除かれたという。(田中誠士)

http://www.asahi.com/articles/ASK7C4518K7CUBQU00S.html
極低温環境での試験で施設につり下げられたジェームズ・ウェッブ望遠鏡(中央)(米テキサス州・ヒューストン、米航空宇宙局など提供)
http://www.asahicom.jp/articles/images/AS20170713005116_comm.jpg