量子力学が登場するまで、実在は人間の観測とは関係なく客観的なものだと考えられていました。
しかし、量子状態の重ね合わせは観測によってある状態に収縮します。
では、実在は客観的なものではないのでしょうか。
 現在正統とされている量子力学の解釈は「コペンハーゲン解釈」と呼ばれ、多くの物理学者は、その根本的な意味はとりあえず棚上げにして、量子力学を使って仕事をしています。
 それに対して、いくつかの解釈が提唱されています。
その1つ「多世界解釈」を簡単に紹介しましょう。多世界解釈では、重ね合わせの数だけ世界が分岐し並行世界が存在するとされています。
観測によって状態が1つに収縮するのではなく、観測により2つの並行世界が出現するのです。
観測者自体が観測により分岐し、どちらか一方の世界しか知り得ないため、1つに収縮したように思えるというのがこの解釈の主張なのです。

https://www.kyoto-su.ac.jp/project/st/st04_04.html