>>725
旧約聖書(レビ記)では海や川に生息するもののうち、ヒレ、ウロコ
のないものは食べることを禁止しており、タコ、イカ、エビ、貝類と
共にイルカ、鯨などをあげている。キリスト教徒である欧米人は野生
動物・愛玩動物・家畜とをはっきり峻別して、家畜はあくまでも人間
に食べられるために飼育されていると合理化して考え、屠殺し食べる
ことに罪の意識を抱かない(例:フォアグラ)。

どんな物にもあまねく命が宿ると見なすアニミズムや 生類憐みの情を
抱く仏教的な考えに基づいて彼らを批判しても、全く意に介さない。

牛を神聖視して食べないヒンズー教徒も豚を不浄視して食べないイスラム
教徒も 他国の食文化には口出ししない。ところが世界宗教であると自負
し 正義だと信じる己の教義を世界中に布教して神の国をこの世に実現し
ようとするキリスト教徒は世界中の各地域の文化を下等・未開・野蛮だ
とみなして口出しし破壊して来た。

日本人も本来は仏教徒であり、陸上の4足の動物の肉は殺生して食べては
ならない禁忌の対象になっていた。実はこの考えの延長線上に鯨肉を食
べる食習慣もある。つまり、基本的に2足の鳥肉や卵や2足で歩く兎肉
のほかは魚介類で動物性たんぱく質を摂取していた。鯨も海に生息する
足のない魚介類として仏教的には食べることを許されていたわけだ。
しかも鯨一頭一頭に戒名をつけを供養までしていた。

・日本勇魚取りの歴史(古代〜江戸時代以前)
http://www.geocities.co.jp/NatureLand-Sky/3011/rekisi-isana-edoizen-xxxxx.html
・鯨の墓 The grave of whales
http://www.youtube.com/watch?v=Up9X07S3Tig

ところが、科学史家のリン・ホワイトが指摘しているように(注)、
キリスト教の場合は神の似姿としての人間が神からの委託・契約によって
自然を支配するという考えのもとで、動物の中でも人間が食用に利用される
牛や豚などの家畜は他の動物と差別され、どんどん屠殺され消費される。
畜産がいかに環境を破壊しているにも拘らず。
(注)Lynn White,Jr.regarded the following beliefs as "The Historical Roots
of Our Ecologic Crisis";The Bible asserts man's dominion over nature and
establishes a trend of anthropocentrism. Christianity makes a distinction
between man (formed in God's image) and the rest of creation, which has
no "soul" or "reason" and is thus inferior. [Wikipedia]

牛肉輸出世界一位の豪州がなぜ10年来の旱魃にみまわれているかと言えば、
畜産は大量のメタンガスを排出し大量の水を消費し地球を温暖化し環境を
破壊 しているからだ。

将来的に商業捕鯨を目指すことで海洋資源の保全をあくまでも目指す日本
の調査捕鯨は、昔の欧米のように油などのごく一部を獲ったら他は 捨てて
しまうような搾取的捕鯨ではない。鯨がいなくなれば商業も上がったりなの
だから、日本の捕鯨が鯨を取りつくすことなどあり得ない。食物連鎖の最上位
に鯨を位置づけている限り、むしろ海洋生態系はバランスを崩す。だかこそ、
むしろ人間が適度に鯨を間引くほうが環境保全には良いのである。その環境
保全のためにこそ、鯨を食べ、牛肉豚肉は極力、摂取を控えるべきなのだ。