産経デジタル2017.7.29 16:23
http://www.iza.ne.jp/kiji/events/news/170729/evt17072916230007-n1.html

 警察庁の2016年調べによると、犯罪認知件数は15年前から減っているのに対し、未成年者を狙う略取誘拐、つまり連れ去り事件は2013年以降増え続けている。

 男女別でいえば、わいせつでは女児が多いが、暴行・傷害の被害者は男女ほぼ同数。もはや「うちは男の子だから安心」という時代ではない。

 さらに、年齢別で見ると、未就学児より、通学時などに1人で行動する機会が多い小学生の方が多く狙われている。1人でいる時、それも通学時などの道路上や、放課後の公園などで子供は被害に遭っているのだ。

 ◆子供は自ら犯人についていくケースが多い

 では、子供はどのようにして被害に遭っているのか。連れ去り事件においては、被害者の半数以上がだまされるなどして自らついていっているという。

 幼い頃から、家庭や教育の現場において、繰り返し「知らない人にはついていかない」といった教育をしているにもかかわらず、なぜ犯罪者についていくのか? 立正大学文学部社会学科教授の小宮信夫さんは、“不審者”に目を向けるのはかえって危険だと警鐘を鳴らす。

 「連れ去り事件の犯人は、いかにも“不審”な雰囲気で子供に近づくわけではありません。犯人は、どこにでもいる普通の人。清潔感のあるかっこうをしていて、やさしい顔とおだやかな声で、ごく自然に接触してきます」(小宮さん、以下同)

 例えば、子供を連れ去った犯人が、実際に行ったやり口について、小宮さんはこう続ける。