>>210
ぬるま湯の中にも高速で動いてる水分子とゆっくり動いてる水分子がある
高速の水分子は熱く、低速の水分子は冷たい
それらが大体均等に入り混じってるから全体でみると均一な温度のぬるま湯になる

でも水分子1個1個はバラバラにランダムに運動してるだけだから
ぬるま湯を放置し続けておくと、ある瞬間に高速の分子が全部コップの右半分に集まり
低速の分子が容器の左半分に集まるようなことが偶然に起こらないとは言い切れない
その場合はコップの右半分がお湯、左半分が冷水になる

ただしその確率はほとんどゼロといっていいくらいに低い
数値で言うと1/10^(10^23)とかそういうレベル
10^(10^23)というのは1のうしろに世界中の砂浜の砂粒と同じくらいの数だけ
ゼロが並んでいるような途方もない数字

その確率は、宇宙が始まってから137億年のあいだ1秒間に1000回ずつ
コップの温度を測り続けてもそういう偏った温度分布が現れることはまずないくらいには低い
しかも宇宙の寿命を1000兆回くりかえしたとしてもそれが起こる確率はほとんど上がらない

それくらい低い確率なので完全なゼロではないが物理的には確率ゼロとみなされる
したがって確率的に圧倒的に起こりやすい分子が均等に混ざった状態が常に実現するように見える
それがエントロピー増大の法則