2017年の「土用の丑の日」は、7月25日と8月6日の2回ある。
メディアでは、資源の枯渇が心配されるウナギの代用魚として、パンガシウスという淡水魚が盛んに報じられているが、パンガシウスの販売を手がけるイオンリテールは「ウナギの代用魚」ではないと強調。
持続可能な水産物として位置付けて提案し、通年販売をする。一体どんな魚なのか。実際に食べてみた。

ウナギ完全養殖の実験成功から6年、いまだ市場に出回らない理由とは

■欧米ではフィッシュ・アンド・チップスなどの料理に

店頭に並べられたパンガシウスのかば焼き(提供:イオンリテール)
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25日の土用の丑の日の夕方。帰宅途中にイオングループの店舗に立ち寄り、パンガシウスを使った「白身魚のふっくら蒲焼」を購入した。

世界各地の淡水魚を展示する水族館「アクア・トトぎふ」(岐阜県各務原市)の飼育員によると、パンガシウスは、ベトナムなど東南アジアに分布するナマズの一種だ。
パンガシウスの仲間は30種あるが、このうち養殖に用いられるのは数種。さらに、それらを交雑して生育期間を短縮するなど、品種改良に取り組んでいるケースもあるという。

日本ではなじみがないが、欧米ではフィッシュ・アンド・チップスやフィッシュバーガーの白身魚フライとして用いられている。

■ウナギを上回る肉厚さと十分な食べ応え

濃厚な味わいのタレと白身の柔らかい食感
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帰宅後、まな板の上に横たえたパンガシウスの切り身を、じっくりながめてみた。白い半身に、つやつやと照りのある茶褐色のタレがふんだんにかけられている。
幅広で見た目はウナギとほど遠いが、レンジで温めると、かば焼き独特の食欲をそそる匂いがただよってきた。包丁で身を切り分けて、白いご飯の上にていねいに並べて食卓へ。

濃厚な味わいのタレと白身の柔らかい食感、ほくほくした白米のほのかな甘みを感じた。ウナギを上回る肉厚さ、十分食べ応えがある。一方、身の味わいは淡白で、ウナギの身ほどのうま味は感じられない。
ウナギの代わりを務める魚というより、これはこれで別のおいしい白身魚、という印象だ。

■「ウナギの代用魚ではありません」
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「当社は、パンガシウスをウナギの代用魚としてはご案内していません。メディアの取材では一生懸命説明しているのですが、代用魚として報道されることがあって」と、イオンリテールの広報担当は困惑気味に話す。
「パンガシウスは、淡白な味わいで食べごたえはありますが、ウナギほどのジューシーさはなく、まったく別の魚です」。6月30日から7月25日を拡販期とするが、通年販売を行うという。

土用の丑の日商戦で、同社はウナギのかば焼きとともに、近畿大学が開発した「近大ナマズ」のかば焼き、豚バラ肉のかば焼きをさかんに売り込んでいる。
パンガシウスのかば焼きは、これらかば焼きラインナップの1つという位置付けなのだという。

配信 2017.07.30 15:00
THE PAGE
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