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このニュースのポイントの一つは、
国際的に持続可能な水産養殖物に与えられる
『ASC (Aquaculture Stewardship Council:水産養殖管理協議会)認証』
を取った食材であること。
(養殖物の他、持続可能な自然界の水産物に与えられる
『MSC (Marine Stewardship Council:海洋管理協議会)認証もある。)

ASCやMSCの認証を認められるには、
養殖現場など「生産現場」はもちろん、
「加工や流通段階」まで厳しい管理を求められる。

・養殖場建設による自然環境の破壊
・水質や海洋環境の汚染
・薬物の過剰投与(日本の製薬会社のお得意さんの一つは養殖業者)
・エサとなる生物(天然資源の魚などを含む)の過剰利用
・養殖された魚が病害虫を自然界に持ち込む
・養殖場から逃げ出した個体が外来生物として生態系に影響を及ぼす
など防止する。

ASC認証の対象になっているのは、
ティラピア、パンガシウス、サケ、二枚貝(カキ、ホタテ、アサリ、ムール貝)、アワビ、エビ類、ブリ類*1、スギ*2など。

ティラピアとパンガシウスは認証製品が誕生し、流通が始まっている。

要するにASCやMSCの認証を受けている水産物を購入すれば、
その水産物は持続可能となる。

ASCについてこちらがわかりやすいと思う。
https://www.wwf.or.jp/activities/nature/cat1136/asc/

*1 養殖ブリにおいて「日本の世界的なシェアは9割」と極めて高い。

*2 スギとはスズキ目の回遊魚で、『刺身やフライの食材』とされている。

スギは温帯域、亜熱帯域に生息する。大西洋ではカリブ海を含めて広域に分布、
インド太平洋ではインド・オーストラリア・『日本』などに分布する。
広温性・広塩性であり、水温1.6-32.2°C、塩分濃度5-44.5‰に耐える。

熱帯・亜熱帯での養殖に適している。成長が早く、肉質が良い

現在、アジア・北米・中米などで海面生簀を用いて養殖されている。
台湾では100–600gの幼魚が1–1.5年で6–8kgに達し、『日本に輸出』
される。
現在、台湾の海面生簀の約80%がスギ養殖に用いられている。
「2004年、FAOは養殖スギの『80.6%が中国・台湾で生産』されている」
と報告した。
ベトナムがこれに続き、「2008年の生産量は1500t」と推定された。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%AE_(%E9%AD%9A)

○イオンはブリやスギのASC認証の策定を歓迎しているので、
「これからASC認証の養殖食材をイオンで見ることが増えてくる」
と思われる。

パンガシウスはその第一弾であろう。