独立行政法人福祉医療機構が全国の保育所と認定こども園を対象に実施したアンケートで、保育士ら職員が不足していると回答した施設が25.0%に上ることが31日、分かった。不足と回答した施設の18.3%が利用者の入所を制限していた。

 施設の大半が「少子化の中、短大など養成校の学生の減少に伴い応募者数が激減し、以前と比べて採用が厳しくなっている」などと回答。同機構は人材不足がさらに深刻化すると指摘している。

 調査は昨年9〜10月に5726施設を対象にインターネットで実施、1615施設(28.2%)から有効回答を得た。

 入所受け入れを制限している施設に不足している職種を複数回答で聞くと、保育士86.3%。保育教諭19.6%、保育補助者10.6%だった。

 職員の退職理由は、保育業界内での転職(29.8%)と結婚(29.7%)が上位を占め、他の業界への転職(26.0%)、体調不良(22.9%)、出産・育児(21.4%)、職場の人間関係(12.2%)が続いた(複数回答)。

 これに対し、ほぼ同じ内容で退職経験のある保育士自身に退職理由を尋ねた別の調査では、職場の人間関係(35.4%)が最多で、体調不良(27.7%)、結婚(20.0%)の順(複数回答)。施設側と保育士側で、退職の事情について認識の相違がうかがえる。〔共同〕

配信 2017/7/31 21:06
日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG31H8H_R30C17A7000000/