第一三共は2日、高血圧症治療薬「オルメサルタン」に関する米国での製造物責任訴訟で、原告側に3億ドル(約330億円)を支払うことで和解に向けた合意に達したと発表した。原告約2300人と一定の基準を満たす未提訴者の合計人数の95%が和解への参加を表明すれば有効となる。

 和解金の大半は保険でのカバーが見込まれており、第一三共は「今後の業績に重要な影響はない」(広報担当者)と説明している。

 オルメサルタンは第一三共が製造販売している。米国で投与を受けた患者らが、副作用で重い下痢症状を中心とした「スプルー様腸疾患」になったなどと主張して、2014年1月以降に訴訟を起こした。

 第一三共は法的責任を否定しているが、訴訟の早期決着を目指して和解に向けた原告側との合意を決めた。今後もオルメサルタンの販売を続ける方針。

http://www.sankei.com/smp/economy/news/170802/ecn1708020012-s1.html