今年秋に19回目となる党大会を開く中国共産党が揺れている。
その最大の震源は、ニューヨークに住む中国人富豪で、ツイッターと動画を使って連日、高官たちの腐敗情報を暴露している郭文貴(クォ・ウェンコイ)だ。

――郭文貴が共産党幹部のスキャンダルの暴露を続けている。どう評価するか。

中国にはこのような詩がある。「坑灰未冷山東乱 劉項原来不読書」。
秦の始皇帝が「焚書坑儒」によって知識人を弾圧し支配を固めようとしたが、結局秦を倒したのは書物を読まない劉邦や項羽のような人物だった、という意味だ。
共産党は知識人である(反体制活動家の)劉暁波を葬り去った。
しかし、劉邦や項羽と同様に知識人ではない郭は、共産党にどう批判されても全く気にしない。
その暴露情報は彼らを脅威にさらしている。
この詩は中国の歴史の教訓だ。
(ニューズウィーク 2017年08月08日号)より