メキシコ大統領に口裏合わせを要求 「記者には『払わない』と言わないで」 国境の壁建設費で 電話会談を米紙が暴露
2017.8.4 09:53
http://www.sankei.com/world/news/170804/wor1708040016-n1.html

 【ワシントン=黒瀬悦成】米紙ワシントン・ポスト(電子版)は3日、トランプ大統領が就任直後の今年1月27日、メキシコのペニャニエト大統領と電話会談した際、両国の国境に壁を建設するというトランプ氏の公約について、メキシコに建設費用を出させることはないとの立場を示した上で「報道機関には、メキシコは費用を負担できないと言わないでほしい」と要請していたと報じた。
 同紙が入手した、ホワイトハウス作成の会談記録によると、トランプ氏は国境への壁建設について「最も重要度の低い問題だ」としつつ、「政治的には最も重要だ」と指摘。大統領選で壁の建設費をメキシコに負担させると唱えてきた手前、「メキシコに払ってもらわなくてはならない」と主張した。
 しかし、ペニャニエト氏は支払いを拒否。するとトランプ氏は「だが、記者には『払わない』と言わないでくれ。報道機関に書き立てられるのは受け入れ難い」と要求。困ったペニャニエト氏は、「我が国の尊厳の問題」なので支払いには応じられないものの、「壁のことはもう話さない」と同意した。
 メキシコ国境への壁の建設はトランプ氏の看板公約の一つだっただけに、一連の電話でのやり取りは同氏の支持者らを失望させる恐れもある。