米マサチューセッツ州の家庭裁判所は3日、スマートフォンの文字メッセージなどで交際相手の男性をそそのかして自殺させ、過失致死罪で有罪判決を受けた女性被告(20)に対し、禁錮15カ月の実刑判決を下した。被告は控訴しており、控訴審の結果が出るまで執行は見合わせる。

 米メディアによると、被告は17歳だった14年、自殺願望のあった交際相手(当時18)に対し、「天国が受け入れてくれる」「やらなきゃだめ」などと文字メッセージで迫った。男性は同年7月、自動車内で一酸化炭素中毒による自殺を図ったが、苦しくなって車外に出たところ、被告に電話で「(車内に)戻りなさい」と告げられた。男性はその後車内に戻り、死亡した。

同州には自殺教唆罪の規定がなく、裁判では、こうした文字メッセージなどが直接的に自殺を引き起こしたのかどうかが問われた。検察側は「思いとどまろうとするたびに突き落とした。友達の前で悲劇の少女を演じようとした」と追及。弁護側は「被告は身体的な行動を起こしていない。男性が自ら決断したこと」と無罪を主張したが、6月に過失致死罪で有罪判決が下っていた。(ニューヨーク=鵜飼啓)

2017年8月4日15時37分
http://www.asahi.com/articles/ASK842FBRK84UHBI007.html