露、シリアでの死亡兵士数を過小発表か 雇い兵も活用
2017.8.4 19:53
http://www.sankei.com/world/news/170804/wor1708040029-n1.html

 【モスクワ=黒川信雄】ロイター通信がこのほど、シリア内戦でのロシア軍兵士の死者数が露国防省の発表より実際は多く、契約で戦闘に参加している雇い兵も多数死亡していると報じ、露国防省側が反発している。
 国防省は今年に入ってからシリア内戦で死亡した兵士は10人としているが、ロイターは2日、死亡者の親類や友人などから得た情報として、軍兵士17人のほか、雇い兵が21人死亡していたと報じた。所属不明の死者も2人いるという。ロシアは内戦に雇い兵が参加していることを認めていない。
 死亡した雇い兵の一人は露南部出身で、かつてはチェチェン紛争ではロシア軍の空挺部隊兵士として戦った。その後は生活が困窮し、1カ月あたり36万ルーブル(約65万円)の報酬を約束されて雇い兵としてシリア内戦に参加したという。
 ペスコフ大統領報道官は「シリアに自主的に向かったロシア国民がいても、国としての関与はない」と述べた。国防省は雇い兵の参加は「神話」だとし、報道を否定。「ロイターがわれわれの作戦をおとしめようとしたことは初めてではない」と主張した。