内閣府が8日発表した7月の景気ウオッチャー調査によると、街角景気の現状を示す指数(季節調整値)は前月より0.3ポイント低下し、49.7となった。企業の景気判断が落ち込んだ影響で、4カ月ぶりに悪化した。建設業やサービス業で広がる人手不足が、企業の業容拡大の足かせとなり、景況感の改善を鈍らせている。

 景気ウオッチャー調査の項目は、家計動向、企業動向、雇用の大きく3つに分けられる。7月は企業動向が落ち込んだ。「人手不足で売り上げ増加に結びつかない」(南関東の警備業)など、人手不足をマイナス要因に挙げる声が広がっている。内閣府は「受注が悪いわけではない。サービスなどでは人手不足による供給側の制約が影響している」と分析する。

 家計動向は横ばいだった。内訳では小売り・飲食が前月から低下した。東北の百貨店で「夏のセールに積極的な購買姿勢がみられない」との声があった。小売り関係でプラスとみられた猛暑は、テーマパークの客足を鈍らせるといったマイナスの側面もあった。

 地域別では豪雨の被害を受けた九州の指数が3.7ポイント悪化した。

 全国の先行き指数は前月比0.2ポイント低下の50.3となった。「価格を安くしないと売れない。個人消費が改善しているとは楽観的に見れない」(北陸のホテル)など、慎重な見方がある。一方、「11月にかけて例年以上の予約数がある」(南関東のゴルフ場)との声もあった。

配信 2017/8/8 17:33
日本経済新聞
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