8月11日 1時02分

アメリカ軍は、南シナ海で中国が滑走路を整備している人工島の周辺で「航行の自由」作戦を実施し、中国の一方的な主権の主張や軍事拠点化を認めない姿勢を改めて示しました。

アメリカ政府の当局者は10日、NHKの取材に対し、南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島で中国が実効支配し、人工島を造成したミスチーフ礁の周辺で「航行の自由」作戦を実施したことを明らかにしました。

それによりますと現地時間の10日午前、海軍の駆逐艦「ジョン・マケイン」が人工島の周辺で領海と同じ範囲の12海里のなかの海域を航行したということです。

ミスチーフ礁は、フィリピンなども主権を主張していますが、アメリカのシンクタンクCSIS=戦略国際問題研究所の分析では中国が5.5平方キロメートル余りを埋め立てて軍事利用可能な滑走路を整備しています。

アメリカ軍は、ミスチーフ礁が中国の軍事拠点になる可能性もあるとみて警戒を強めていて、ことし5月にも同様の作戦を実施していました。

当局者によりますと今回、中国側は艦艇2隻でアメリカ軍の駆逐艦を追尾し、中国の海域だと主張したということですが、衝突などはなかったということです。

トランプ政権下で3回目となる今回の作戦で、アメリカとしては、中国の一方的な主権の主張や軍事拠点化を認めない姿勢を改めて示した形で、引き続き同様の作戦を継続させるとみられます。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170811/k10011096581000.html
【追加ソース】
「航行の自由作戦」に中国反発 艦船派遣し、米に警告
http://www.asahi.com/articles/ASK8C0BK9K8BUHBI02L.html