http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170811/k10011097291000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_012

10日未明、山頂の西側の斜面から小規模な噴気が出ているのが確認された北アルプスの焼岳について、気象庁が11日、山頂から4キロほど離れた場所で調査を行った結果、新たな噴気や噴出物は確認されませんでした。気象庁は、今後、再び噴気活動が活発化する可能性があるとして、山頂付近にはとどまらないことなど安全対策を取るよう呼びかけています。

気象庁によりますと、長野と岐阜の県境にある北アルプスの焼岳では、10日午前0時ごろから午前2時ごろにかけて、空気の振動を伴う地震が6回観測されたほか、同じ時間帯に山頂の西側およそ400メートルの斜面で白い噴気が出ているのが監視カメラで確認されました。噴気が確認されたのは、「黒谷火口」の周辺と見られ、ふだんから噴気が出ている場所とは異なるということで、噴気は一時100メートルほどの高さまで上がりましたが、しだいに弱まったということです。

気象庁の職員が11日、山頂から北西に4キロほど離れた場所から、「黒谷火口」の周辺を双眼鏡を使うなどして調査したところ、新たな噴気は確認されなかったほか、火口周辺の地形の変化や噴石などの噴出物の飛散は確認されなかったということです。また、火口周辺の地面の温度にも特段の変化はないということです。

気象庁は、焼岳の噴火警戒レベルを「活火山であることに留意」を示す「レベル1」を継続したうえで、今後、再び噴気活動が活発化する可能性があるとして、山頂付近にはとどまらないことや、山に入る際にはヘルメットをかぶるなどの安全対策を取るとともに、火山ガスにも注意するよう呼びかけています。

8月11日 20時17分