トランプ大統領 ベネズエラをけん制 軍事力行使も排除せず
8月12日 12時23分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170812/k10011097781000.html

アメリカのトランプ大統領は、南米のベネズエラで大統領が独裁色を強め混乱が広がっていることについて「危険な状況で人々が苦しみ死んでいる。必要なら軍事も含め多くの選択肢がある」と述べ、軍事力をちらつかせて人々に対する抑圧をやめるよう強く迫りました。
南米のベネズエラでは、マドゥーロ大統領が先月、現在ある議会とは別に新たな憲法を制定するための「制憲議会」の選挙を強行するなど独裁色を強め、これに抗議するデモ隊と治安部隊が衝突するなど混乱が広がっています。

これについて、アメリカのトランプ大統領は11日、記者団に対し「ベネズエラは混乱しており非常に危険で悲しい状況だ。人々は苦しみ死んでいる」と述べました。

そのうえで「私は軍事的な選択肢を排除しない。われわれには、必要であれば軍事力の行使の可能性も含めて多くの選択肢がある」と述べ、軍事力をちらつかせて人々に対する抑圧やめるよう強く迫りました。

トランプ政権は先月、マドゥーロ大統領が「制憲議会」の選挙を強行したことを受けて、「独裁者だ」と強く非難し大統領本人に対する資産凍結などの制裁を科すと発表しています。

ただ、その後も事態はさらに悪化しているためトランプ大統領みずからがこれまでにない強い表現でマドゥーロ大統領に警告した形です。
ベネズエラ国防相「狂気の沙汰」と非難
ベネズエラのパドリノロペス国防相は11日、地元のテレビ局の電話取材に対し、「狂気の沙汰で、究極の過激主義だ」と述べ、強く非難しました。
米が電話会談申し入れを拒否か
アメリカ・ホワイトハウスが11日発表した声明では、ベネズエラのマドゥーロ大統領からトランプ大統領に対して、電話会談の申し入れがあったということです。

ただ、声明では「トランプ大統領は、ベネズエラの民主主義が立て直されたら、喜んで話す」として、現段階ではマドゥーロ政権との対話には応じない姿勢を示しました。

声明では「トランプ大統領がベネズエラの人々への抑圧をやめるよう求めたのに、マドゥーロ政権は、それを拒み、独裁の道を選んだ」として厳しく批判しています。