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長野県のJA全農長野は、資材コスト削減を図るため、六角形の出荷用段ボール箱を開発した。対角線にある二つの角を切った形状で、原紙の使用量の削減と強度の向上を実現した。県内の高原野菜産地で導入試験を行い、価格を抑える資材として広く県内に提案していく考えだ。

 全農長野はこれまで、原紙の材質や厚さなどを変えコストを抑えてきたが、強度の兼ね合いから限界があった。そこで、形状の見直しを検討した。取引のある製造メーカーの長野森紙業(塩尻市)と2年前から開発を進め、今年の春に完成。同社が特許を出願した。

 六角形のハクサイの15キロケースは、対角線にある二つの角を4センチ程度切った形状とした。

 六角形にすることで丸い農産物を入れたときに角にできる隙間を省くことができ、角が増えたことで強度が向上。資材価格に直結する原紙の使用量は、同ケースで0・932平方メートルと約3%減らすことができる。切った角の面には、産地名などを印刷でき、通常の箱とは違う目を引くPR効果も期待できる。

 全農長野は10万ケースをJA木曽のブランドハクサイ「御嶽はくさい」の6人の生産者で試験し、組み立てなどの使用感や市場の反応を調査する。

 全農長野包装資材課の高木昭彦課長は「資材を1%でも安くし、生産者にメリットが出せるよう提案していく」と力を込める