ベトナム戦争で川の中を逃れる母と子を写した写真でピュリツァー賞を受賞したカメラマン、沢田教一の作品を集めた展覧会が都内で始まり、受賞作で被写体となった女性も会場を訪れました。

沢田教一は青森市出身のカメラマンで、ベトナム戦争の最前線の様子を撮影し、川の中を逃れる母と子を写した「安全への逃避」で1966年にピュリツァー賞を受賞しました。

東京・日本橋で始まった展覧会では、およそ150点の写真のほか、その後、カンボジアで銃弾を受け、34歳で亡くなった沢田が使っていたカメラやヘルメットなどの遺品も展示されています。

16日は、受賞作の「安全への逃避」で当時2歳で母親に抱かれて写り、今は54歳となってベトナムで暮らすグエン・ティ・フエさんや、沢田の妻のサタさんも会場を訪れました。

フエさんは今回初めて来日したということで「この写真が撮影されたあと、沢田さんが岸に上がるのを手助けしてくれたと母親に聞きました。沢田さんには感謝をしたいと思います」と話していました。

また、サタさんは「沢田は平和を愛し、戦場カメラマンと呼ばれるのを嫌っていました。風景や子どもたちの写真も多くの人に見てもらいたいです」と話していました。

この展覧会は日本橋高島屋で8月28日まで開かれています。

公式HP
https://www.takashimaya.co.jp/store/special/event/sawada.html

配信8月16日 11時50分
NHK NEWS WEB
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170816/k10011101411000.html