2017年8月17日21時3分
中国の空軍機が台湾周辺で飛行訓練を繰り返している。今月12〜14日には3日連続で台湾を周回するように飛行。7月以降、計8回に達した。爆撃機や電子戦機などを投入しており、中台関係の悪化を背景にした台湾への圧力や能力誇示とみられる。台湾側も戦闘機を緊急発進させるなど警戒を強めている。

 台湾・国防部や日本の防衛省によると、14日午前、中国のY8電子戦機が、台湾南方のバシー海峡の上空を抜け、台湾東方の太平洋を巡り、沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡を通って中国に戻った。左回りに台湾を巡る形だ。13日も同型機が、12日は同型機とH6爆撃機が周回した。

 台湾で蔡英文(ツァイインウェン)総統が就任した昨年以降、台湾を周回するような中国軍機の訓練が散発的に確認されてきたが、目立ってきたのは今年7月からだ。その都度、台湾の空軍機や日本の空自機が緊急発進している。周回に加え、台湾海峡の中間線に沿うように西側を飛行する例もあるという。

 7月最初に中国軍機が台湾周辺を飛行した13日の翌日、中国国防省は訓練への警戒について、「大騒ぎしたり、深読みしたりせず、慣れれば良い」とする報道官の談話を公表。中国空軍も後日、中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」に台湾周辺とみられる空域を飛ぶ空軍機の写真を載せ、「常態化! 常態化! 常態化!」と投稿した。

 中国軍は近年、遠洋展開能力の向上を図っており、昨年末から今年初めにかけて初の空母「遼寧」も台湾を一周する航海を実施。危機感を抱く台湾の蔡総統は7月末、戦闘機部隊が配置されている南部・台南市の空軍基地を急きょ視察し、兵士を激励した。

 台湾・淡江大学の黄介正・助理教授(安全保障)は中国軍機の飛行について、「台湾への圧力に加え、台湾の空軍機やレーダーの反応や能力を探っているのだろう。米国や日本に対し、継続的に力を示す意味もある」とみている。(台北=西本秀)

http://www.asahi.com/articles/ASK8G4VCYK8GUHBI00R.html
中国の爆撃機(上)を警戒しながら飛行する台湾の戦闘機(7月20日撮影、台湾・国防部提供)
http://www.asahicom.jp/articles/images/AS20170817003519_comm.jpg
中国軍機のルート
http://www.asahicom.jp/articles/images/AS20170817003843_comm.jpg
朝日新聞ソースの色物スレです