水産庁と地域捕鯨推進協会(福岡市)は21日までに、青森県八戸港を拠点に実施していた調査捕鯨を終了した。7月18日に始まり、捕獲数はミンククジラ30頭を目標に掲げたのに対し、3頭にとどまった。8月に入ってからは近海でしけが続き、ほぼ出漁できなかった。

調査は商業捕鯨の再開に向けて捕獲可能数を算出するのが狙いで、水産庁の計画に基づき、国の許可を受けた同協会が実施。八戸沖では初めてで、小型捕鯨船2隻、探査船6隻が沖合90キロまでの範囲で調査に当たった。20日に終了し、捕鯨船は21日に次の調査地の北海道釧路港へ向かった。

水産庁と同協会は本年度の太平洋沿岸の調査拠点を八戸、釧路両港とし、合わせて80頭の捕獲を目標とする。八戸が3頭にとどまったことについて同協会は「風で白波が立つと鯨を探すのが難しくなる。もっと調査をしたかったが、ここまで天候不順が続くとは思わなかった」としている。

八戸沖では7月20日に1頭目が捕獲され、解体調査後の「副産物」である鯨肉は24日に“八戸産”としてデビュー。7月中に捕獲された3頭が市内を中心に流通した。1988年に日本が商業捕鯨から撤退して以降、八戸では初の本格的な鯨の水揚げとなった。

釧路での調査は9月上旬ごろに始まり、10月後半まで続く予定。八戸を含めた太平洋沿岸の調査結果は、釧路の終了後に公表するとしている。

国は南極海での調査捕鯨停止を命じた2014年の国際司法裁判所の判決を踏まえ、6月に本年度から12年間にわたる新たな調査計画を策定。八戸は鯨の来遊状況や港湾インフラから、新たに拠点に加わった。
.
8/22(火) 11:06配信
デーリー東北新聞社
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170822-00010003-dtohoku-bus_all