【ソウル=山田健一】北朝鮮の朝鮮中央通信は23日、金正恩(キム・ジョンウン)委員長が国防科学院化学材料研究所を視察したと報じた。日時は不明。正恩氏は研究所を刷新して生産能力を拡張し、弾道ミサイルに使う固体燃料エンジンや弾頭を増産するよう指示した。ミサイル開発を推進する姿勢を強調し、合同軍事演習を開始した米韓両国をけん制した。

同研究所は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の弾頭とエンジン噴射口の耐熱性能強化に必要な炭素繊維複合材を研究、開発している。朝鮮中央通信によると、正恩氏は「科学研究と開発、生産が一体化された最先端拠点に改修しなければならない」と研究所の拡張を指示したという。

一方で、「複数回のミサイル発射実験を通じて大気圏再突入能力を立証した」と技術力を評価。技術者の「研究環境と生活条件に深い関心を持たなければいけない」と述べて、ICBMの開発を奨励した。

配信2017/8/23 9:30
日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM23H0N_T20C17A8MM0000/