http://www.news-postseven.com/archives/20140617_260924.html
【書評】雰囲気を重んじるキラキラネームに疑問投げかける書
2014.06.17 16:00
【書評】『名づけの民俗学 地名・人名はどう命名されてきたか』田中宣一/吉川弘文館/1836円

>皺くちゃの赤ん坊に、「美子」とか「幸子」と名づけるのは、
>赤ん坊の観察からではなく、その名前のような人物になってほしいという期待からである。
>著者はこれを日本人の「言霊信仰」によるものという。
>言霊信仰とは、言葉には意味と不可分の霊力が宿っていて、
>その言葉を発するとそれが現実になると信じられることだ。
>たとえば、受験生を前にして「落ちる」という言葉を避けるのは、
>その言葉によって不合格が現実になることを恐れるからだ。

>著者は現在の子供の名づけの傾向にも言及する。
>たとえば女子で人気のある「ユイ」という読みは20以上の表記があり、
>また一方で、人気のある「結愛」という表記は
>「ユイ」「ユウア」「ユナ」「ユラ」など読みはまちまちであるという。

>「命名に知恵をしぼる親の愛情はわかるとしても、
>漢字本来の意味を離れ、雰囲気を重んじるさまざまな呼び方をする傾向には
>とまどいを感じられずにはいられない」というのが著者の感想だが、いかがだろうか。