【中国】人民元の流出阻止図る中国政府vs. 売り急ぐ国民[12/09]  2ch.net
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中国では資金流出をめぐる政府と国民の攻防が激しさを増している

 【深セン】専業主婦のシェン・ジアさん(36)の新年の抱負は、2017年になったらすぐにできるだけ多くの人民元を米ドルと交換することだ。

 他の中国国民と同様に、シェンさんは年間5万ドル(約570万円)相当の人民元を外貨に両替できるが、元相場が下落したことで数カ月前に今年分の枠を使い切ってしまった。シェンさんの家族や親戚も同じだ。

 中国政府が資金流出と外貨準備の減少を必死で食い止めようとしている中、個人の年間外貨両替限度額が再び見直される可能性が出ている。

 元売り圧力は弱まっていない。中国人民銀行(中央銀行)が7日発表した11月末の外貨準備高は690億ドル減って3兆0520億ドルとなり、11年3月以来の低水準に落ち込んだ。減少は5カ月連続で、その幅は今年1月(約1000億ドル)以来の大きさを記録した。

 海外旅行でドルを使おうと考えているシェンさんは「みんな人民元はもっと下落すると予想している。だから急がなければ」と話した。

 資金流出の加速が見込まれていることで、中国政府は外貨両替限度額を見直すべきかどうか判断を迫られている。政府関係者らは、非公式にその可能性を否定しながらも、この問題を懸念していることを認めている。

 ある政府顧問は「人民元の一方的な下落が続くと人々が考えれば、当然、彼らはもっと外貨と交換したがるだろう」と語った。

 ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドの中国担当エコノミスト、ハリソン・フー氏は、今後、家計の外貨購入制限が強化される可能性が高いと予想。「『(金融当局の)窓口指導』を受けて、銀行は暗黙の数量規制を課すかもしれない」と述べた。

 個人の外貨両替限度額は、幅広い金融自由化の一環として、07年に2万ドル相当から5万ドル相当に引き上げられた。

限度額の引き下げは、経済についての悲観的なメッセージを送ることになり、人民元のろうばい売りを招くリスクを高める。
だが引き下げなければ、今ある資金が大量に流出して元相場に打撃を与え、人民銀行は外貨準備のさらなる取り崩しを余儀なくされかねない。

 今のところ中国の外為当局は、外貨両替限度額が引き下げられるとの臆測を退け、資金を国内にとどめるための別の方法を試みている。国務院(内閣)は先ごろ、
中国企業による海外投資の抑制を目的とする新しい規則を制定。また、規制当局は銀行に対し、外国企業と国内企業両方の国外送金額を大幅に制限するよう指示した。

 さらに当局者らは、資金流出を防ぐために「良心に訴える」という手段に出た。先月末、中国共産党の機関紙「人民日報」には、人民元を外貨に交換する「大衆にやみくもに従わない」よう国民に呼び掛ける記事が掲載された。

 人民銀行が15年8月に突然、人民元を切り下げた後、同年末に資本逃避の不安が広がり始めた。同行はこれを食い止めようと、元相場を下支えするために大規模な市場介入を行った。今年初めに新しい為替制度が制定されたのも元相場の安定化が目的だった。