(続き)
■全米学識者協会は以下の項目が達成されない限り、孔子学院・教室は閉鎖されるべきだと主張しています。

(1)透明性の確保
(2)孔子学院の予算を大学予算から分離し、孔子学院主催のイベントは大学と区別して告知
(3)大学が雇い、報酬を支払っている教員が中国語の授業を行う
(4)奨学金は民間によるものに限定し、繊細な中国の問題に言及したからと言って不利になるという不安を払しょくする
(5)漢弁に対して中国共産党員が優先されているのか、気功集団「法輪功」のメンバーはまだ除外されているのか、選考は純粋に能力に基づいて行われているのか、書面で回答を求める
(6)アメリカにおける孔子学院はアメリカの法律に基づいて運営される
(7)アメリカの全孔子学院に対して天安門事件やダライ・ラマ14世といった重要な中国の現代史に関する公開講義や授業を実施するよう求める
(8)孔子学院の教員や院長は他のアメリカの大学と同じ「学問の自由」を享受できる
(9)孔子学院の院長ポストをボランティアにする

■さらに連邦議会や州議会に次の4点を求めています。

(1)連邦議会は孔子学院を調査すべきだ
(2)州議会も公立大学の孔子学院について調査すべきだ
(3)連邦議会は国家安全保障への影響も検討すべきだ
(4)連邦議会と州議会は、中国政府が孔子学院を使って中国人留学生を監視し、脅かし、圧力をかけていないか調査すべきだ

米国大学教授協会とカナダ大学教員協会も13〜14年にかけて、孔子学院を誘致した米国とカナダの約100大学に対し、大学の良心と見識を問う声明を発表しています。

声明は(1)孔子学院の活動は漢弁の監督下にあり、「学問の自由」が無視されている(2)孔子学院が教員の採用や管理、カリキュラムの選定、討論の規制を通じて中国政府の目標を達成するのを容認している――と大学側を非難し、

漢弁との再協議で完全な学問の自由が認められないなら、孔子学院との関係を断てと求めています。

■米シンクタンク、ピュー研究所の調査を見ると、日本、ベトナム、インドと言った中国の近隣国では中国への警戒感が非常に強くなっています。

この秋に共産党大会を控えた習近平にとって、中国の国際イメージより、体制を揺るがすリスクを虱潰しにするとともに、軍の強硬姿勢を容認し、支持を固めることの方が最優先なのは言うまでもありません。