静岡県警を代表する名刑事、紅林麻雄


紅林麻雄とは、静岡県警が生んだ拷問王、捏造神である。
数々の冤罪事件を生み出した張本人で、500回以上の表彰を受けたが、そのほぼ全てがアリバイ崩しの捏造、秘密の暴露の偽装、ありもしない真実のでっちあげと言った違法行為そのものによって得られた紛い物の解決であった。

その大きな捜査手法の特徴は、たまたま事件現場近くに住んでいた何の罪もない一般人を逮捕すると、
焼火箸での焼印、バケツへの排泄物垂れ流し、白紙調書への自作供述の作成とそれを強引に認めさせる脅迫じみた取調べ、
と違法行為、拷問行為によって無理やり「自分がやった」と言わせる事で「そらみたことか、お前が犯人だ!」と先入観、独自解釈のみで捜査を進めていたことにある。
さらに、長期拘留で精神的に追い詰め、拘置所の部屋も劣悪な環境とすることで「解放されたいがための自白」となった例も数知れない。

この「紅林式捜査、取調べ手法」は悲しいことに現代にも生きており、数多くの痴漢冤罪事件や近年話題となったPC遠隔操作事件の誤認逮捕などはこの「自白強要」の手法が未だに根強いことがその冤罪被害者の口からも語られており、日本警察負の遺産の象徴ともなっている。

なぜこんな違法行為がまかり通っているのかいうと、今も昔も日本式裁判の有罪率が高いことはご存知のとおりであるが、それに加え当時の法医学者古畑種基が多くの鑑定データを捏造したとも言われている。
さらに、裁判において検察側に有利に働くのがやはり「自白」であり、日本の刑事裁判の多くが「自白偏重」に偏りがちな点、
そして紅林式捜査が警察、検察、裁判所にとって「自分たちに都合がいいデータが出てくれる」ということでほぼ黙認されていた点もその冤罪発生に拍車をかける形となっている。

上に挙げた二俣事件では、その捜査に疑問を持った山崎兵八刑事が内部告発を行ったが、そのことで警察を懲戒免職となり、自宅を燃やされた。
その際に逮捕されたのが山崎刑事の次男で、彼は「家に長靴の男が入って行くのを見た」と証言したが、紅林はそれを「嘘に決まっている!お前がやったんだ!」と聞き入れず、長時間、さらに何人もの男で寄ってたかって「やったと認めろ」という執拗な取調べ、
そして決定的だったのが空腹の少年の前に親子丼を差し出し「自分がやったと認めれば食わせる」という悪魔ですら目を背けるであろう非道行為で少年の罪を「認めさせた」。
次男は「自分が犯人だ」と言った後に同席した父親が恐ろしいことを行ったことはわかるが、そのときの記憶を完全に無くしており、今でも親子丼を食べることができないという。

このほか、幸浦事件では、本来警察しか知りえない死体の隠し場所をわざとわかるように工作し、犯人と仕立て上げた男に犯行を認めさせている。

島田事件や小島事件に至っては物的証拠が何一つ無い中で有罪判決の決め手になったのが「自白調書ただひとつ」という状態であり、拷問、捏造によって作られた調書が罪も無い男性の自由を何年もの間奪った。

直接関与していない事件ではあるが、2014年に大きな話題となった袴田事件は彼の部下だった刑事が袴田に自白を強要させた。証拠を捏造した疑いが強いとも言われ、
再審決定の決め手になった「5点の衣類」に至っては地裁自体が「捏造の可能性」に触れ「このまま彼を拘束し続けるのは著しく正義に反する」とまで論じるという異常事態となった。
まさしく、今問題になっている児童虐待における「虐待の連鎖」「暴力の受け継ぎ」でしかない。

このような悪事を行っていた紅林だが、晩年にはその冤罪の数々が暴かれ、警部から2階級降格となり、幸浦事件の無罪判決が確定すると逃げるかのように警察を依願退職。
その後、脳出血でこの世を去り、最後の最後まで紅林自身が行ったその行為そのものが法の下で裁かれることは無かった。