原子力事業者の損害賠償措置、国の援助
  原子力事業者は、損害賠償責任が発生する事態への備え(損害賠償措置)を講じることが義務
づけられています(原賠法7条1項)。
この損害賠償措置とは、原子力損害賠償責任保険契約(民間保険契約)及び原子力損害賠償補償契約
(政府補償契約)を締結することです。
この損害賠償措置として必要とされる額は、原則として、1事業所当たり1、200億円とされていますので、
通常の原子力損害を賠償する場合には、民間の損害保険会社により、賠償措置額(1、200億円)まで
保険金が支払われることになります。そして、民間保険会社による保険では対応できない原子力損害、
たとえば、地震、噴火、津波などの自然災害による原子力損害を賠償する場合には、原子力事業者と政府と
の間の補償契約により行われる政府補償により、賠償措置額(1、200億円)まで補償金が支払われることになります。
また、被害者救済に遺漏がないようにするため、賠償措置額(1、200億円)を超える原子力損害が
発生した場合には、国が原子力事業者に必要な援助を行うことができます(原賠法16条)。
この国による必要な援助とは、補助金の交付や低利融資等が考えられます。