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ギャンブルに詳しい弁護士として雑誌やテレビ等から質問をされるとき,必ず聞かれるのは「パチンコはどうなんですか」ということである。
この間のNHK番組のディレクターからも聞かれた。

パチンコはどうなの?という問いには,以下の3つの問いが含まれている。

@パチンコは賭博にあたるの?
Aパチンコは賭博罪にあたるの?
Bパチンコで捕まる可能性はあるの?


まず@の点について,パチンコは明白に賭博である。
法律上の賭博の定義は「偶然の事実に対して財物を賭けること」である。
パチンコの結果が偶然であることは言うまでもない。
パチンコは,偶然の結果に対して財産的価値のある賞品(財物)が提供されるので,賭博にあたる。

Aの点は,非常に難しい。
競馬や競輪は,賭博にはあたるが特別法で認められている。
パチンコも賭博にはあたるが,風営法によって賞品を提供することは認めら
れている。
よって,賞品を提供している限りでは,賭博罪にはあたらない。
しかしここで問題なのは,パチンコをしている人は全員が出玉を特殊景品に交換した上で換金しているのであって,実質的には現金が提供されているのと同一であるという点だ。
裁判所というと四角四面で融通が利かないというイメージを持っている人も
いるかもしれないが,実はけっこう実質的な判断をすることも多い。
パチンコ店で,実質的に現金が提供さ
れていることは明白である。現金が提供されているのならば,賭博罪である。
仮にパチンコ店が賭博罪で起訴されたならば有罪になる可能性は高い。なので「まだ判例はありませんが,もし裁
判になればパチンコは賭博罪にあたるという結論になるでしょう」と回答している。