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東日本大震災の津波で被害を受けた仙台市若林区の荒浜地区に当時のまま残った住宅の基礎部分について、仙台市は「震災遺構」として保存していくことになりました。

これは仙台市の郡市長が6日の記者会見で明らかにしました。「震災遺構」として保存されることになったのは仙台市若林区の荒浜地区に残された住宅の基礎部分で、面積にしておよそ0.4ヘクタールの範囲です。

ことし4月から「震災遺構」として一般公開されている荒浜小学校から海側に700メートルほどのところにあり、当時のまま基礎部分だけが残った姿は津波の威力や恐ろしさを物語っています。

仙台市が設置した専門家の委員会からは、震災の記憶を後世に伝えるためにこうした住宅の基礎部分も「震災遺構」として保全すべきだといった意見が出され、住宅の当時の所有者などから了解も得られたことから保存することを決めたということです。

仙台市は、来年度から整備工事を始め、再来年度に一般公開したいとしています。

郡市長は「震災遺構として保存することで、確かな生活の場がここにあったんだということが、訪れた人により現実的なものとして受け止めていただけると思う。記憶と鎮魂の思いを遺構として形にとどめ、その思いが広く共有されるよう力を尽くしたい」と述べました。

9月6日 15時10分