シュールレアリスム(超現実主義)の画家、サルバドール・ダリ(1904〜89)の娘だと主張した地元スペインの女性(61)の訴えが、DNA鑑定で退けられた。ダリ財団が6日、発表した。財団は「ばかげた騒ぎが終わって喜ばしい」としている。

 ダリの娘だと主張していたのは霊媒師とされる女性で、親子関係が確認されれば巨額の遺産相続権が発生する可能性があった。

 首都マドリードの裁判所は「生物学的な親子関係の確認にはDNA鑑定しか方法がない」と判断。ダリの故郷スペイン・カタルーニャ地方の「ダリ劇場美術館」に埋葬されている遺体が、7月20日から21日にかけて掘り起こされた。

 AFP通信によると、皮膚や爪、骨などから採取した検体を元に鑑定が進んだ。財団によると、裁判所側から「ダリが父親であることを排除できると結論づけた」との連絡があったという。女性側は「(司法当局からの)連絡を待っているところです」とコメントしているという。

 ダリは、文字盤がぐにゃりと垂れ下がる時計を描いた「記憶の固執」などの作品で知られる。女性は、母親がダリと一時的に関係を持ち、自分が生まれたと訴えていた。(パリ=青田秀樹)

2017年9月7日10時08分
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