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気象庁は8日、全国の活火山の8月以降の活動状況や警戒すべき点について発表しました。噴火が発生したり、火山活動が高まったりして、全国の7つの火山に「火口周辺警報」が、2つの海底火山に「噴火警報(周辺海域)」が発表されています。

火口周辺警報は7火山

今後の噴火で、火口の周辺や居住地域の近くに影響がおよぶおそれがある「火口周辺警報」が発表されているのは、群馬と長野の県境にある「浅間山」、宮崎と鹿児島にまたがる霧島連山の「えびの高原の硫黄山周辺」、鹿児島県の「桜島」、「口永良部島」、「諏訪之瀬島」、それに小笠原諸島の「西之島」と「硫黄島」の合わせて7つの火山です。

噴火警戒レベル3は2火山

このうち居住地域の近くまで影響が出るおそれがあり、入山規制が必要な「噴火警戒レベル3」は、鹿児島県の「桜島」と「口永良部島」の2つの火山に発表されています。

《桜島》
桜島では、8月は噴火活動が活発になり、昭和火口で98回の噴火が発生し、このうち20回は、「空振」と呼ばれる空気の振動や地震を伴う「爆発的な噴火」でした。火山性地震が7月から大幅に増加したほか、8月中旬と下旬に気象台が行った現地調査では、火山ガスの量が1日当たり1000トンから1900トンとやや多い状態です。

また、鹿児島湾奥部の「姶良カルデラ」の地下にある「マグマだまり」に、マグマの供給が続いていることを示す地殻変動が観測されていて、気象庁は、昭和火口と南岳山頂火口からおおむね2キロの範囲では、大きな噴石や火砕流に警戒を呼びかけています。

《口永良部島》
口永良部島では、噴火は発生しておらず、新岳火口付近のごく浅い場所を震源とする火山性地震も、8月は41回と、7月とほぼ同じでした。一方で、火山ガスの量は、平成26年8月の噴火前より、やや多い状態が続いています。

気象庁は、おととし5月の爆発的噴火と同じ程度の噴火が発生する可能性は低くなっているものの、引き続き、噴火の可能性があるとして、火口からおおむね2キロの範囲では、大きな噴石や火砕流に向江浜地区などでは火砕流に警戒するよう呼びかけています。

噴火警戒レベル2は3火山

火口の周辺への立ち入りが規制される「噴火警戒レベル2」が発表されているのは、「浅間山」、霧島連山の「えびの高原の硫黄山周辺」、それに「諏訪之瀬島」の3つの火山です。

《浅間山》
おととし6月にごく小規模な噴火が発生した浅間山では、山頂火口直下のごく浅い場所を震源とする火山性地震が、8月11日に177回発生し、合わせて1918回と、依然として多い状態が続いています。地下の熱水や火山ガスの動きを示すと考えられる火山性微動は時々観測され、22日には振幅の小さな火山性微動がおよそ2時間半にわたって続きました。

また、火山ガスの量も1日当たり1100トンと多い状態が続いていて、夜間には、高温のガスなどが雲などに映って赤く見える「火映現象」も時々観測されるなど、火山活動はやや活発な状態が続いています。地下のマグマだまりにマグマが供給されていることを示すと見られる地殻変動も続いていて、気象庁は、引き続き山頂火口からおおむね2キロの範囲では噴火に伴う大きな噴石に警戒を呼びかけています。

《霧島連山のえびの高原の硫黄山周辺》

霧島連山のえびの高原の硫黄山では、火山性地震が時々発生し、7月からは大幅に増えて、8月は109回発生したほか、9月5日には、硫黄山付近のごく浅い場所を震源とする、体に揺れを感じる振幅の大きな火山性地震が発生しました。

噴気活動も依然として活発で、地面の温度の高い領域も確認されていることなどから、気象庁は、小規模な噴火が発生するおそれがあるとして、硫黄山からおおむね1キロの範囲では、噴火に伴う大きな噴石に警戒するよう呼びかけています。

《諏訪之瀬島》
諏訪之瀬島の御岳火口では、噴火が時々発生し、8月は爆発的な噴火も12回発生するなど、活発な火山活動が続いていて、今後も火口周辺に影響を及ぼす噴火が発生すると予想されることから、気象庁は、火口からおおむね1キロの範囲では、噴火に伴う大きな噴石に警戒を呼びかけています。

《御嶽山》
御嶽山は、火山活動が静穏化する傾向が続いたことから、8月21日に火口周辺警報が解除され、噴火警戒レベルも2から1に引き下げられました。
>>2以降に続きあり)

9月8日 21時34分