我々は、意識的にしろ、無意識的にしろ、ある人を見た時、その身体的特徴や仕草から“なんとなく同性愛者っぽい”という推測をしてしまいがちであるが、その精度はそれほど高くなく、往々にして“気のせい”の域を出ない。
性指向という内面的な性質を外側から判断するには無理があるが、この度、なんと90%以上の精度で同性愛者を判別する人工知能が開発されたというのだ!

■ AIが“顔写真だけから91%の精度で同性愛者を特定!

英高級紙「The Guardian」(9月8日付)によると、米・スタンフォード大学の研究者マイケル・コシンスキ氏らが、科学ジャーナル「Journal of Personality and Social Psychology」に掲載した論文で、あるアルゴリズムを学習したAIが、男性に関しては81%、女性に関しては74%の精度で同性愛者を見分けることができると公表、倫理上の大きな問題を呼んでいるという。
コシンスキ氏らは、ディープニューラルネットワーク(多層のニューラルネットワークによる深層学習)を用い、米国のデートサイトに投稿された男女35000人の顔画像から顔面の特徴を抽出、そのビッグデータをもとにヴィジュアル解析を行った。

その結果、同性愛者の男女は「男女の型にはまらない(gender-atypical)」特徴、つまり、同性愛者の男性は女性らしく、同性愛者の女性はむしろ男性らしいということが分かったという。
ここまでは我々でも何となく予想がつくが、驚くべきことにAIは、同性愛者の男性は異性愛者の男性よりも顎が細く、鼻が長く、額が広いこと、同性愛者の女性は異性愛者の女性よりも顎が大きく、額が小さいことを突き止めたというのだ。

写真:左がストレート、右が同性愛の男女の平均顔
http://tocana.jp/images/gaydetection_03.jpg

そして、その特徴をもとに、男女の性指向を推測させたところ、男性では91%、女性では83%の精度で同性愛者を特定することができたという。
生身の人間が他人の顔画像だけから性指向を特定した場合、その精度は男性では61%、女性では54%ほどだったというから、AIの驚異的な精度の高さがお分かりになるだろう。
研究者らはこの結果を「脳が知覚し、解釈する以上の性指向に関する情報が人間の顔には含まれている」と分析、また、同性愛者は同性愛者として産まれること、つまり、性指向が誕生前に特定のホルモンに曝されることで先天的に決定するという学説を強力に支持するものであると語っている。

■深刻なプライバシー問題を招く可能性も

有色人種が研究対象に含まれておらず、トランスジェンダーやバイセクシャルの人々を考慮に入れていないなど複数の問題点が指摘されているが、それを考慮しても十分有効な研究結果であると考えられる。
この技術を悪用すれば、ネット上や政府のデータベースに存在する無数の顔画像から、本人の許可を得ることなく、当人の性指向を特定することができてしまい、極めてセンシティブなプライバシー問題を惹起することになる。
たとえば、同性愛に極めて不寛容なロシアなど、LGBTに否定的な政府が飛びつくことは目に見えているだろう。

「この技術は確かに厄介なものです。新しい技術は常にそうですが、不適当な人物の手に渡った場合、あらゆる間違った目的のために使用されるでしょう」(トロント大学準教授ニック・ルール氏)

コシンスキ氏らによると、将来的には性的嗜好のみならず、政治思想や心理状態、性格を顔の特徴と関連付けることも可能になるという。
しかし、何度も繰り返すが、このような技術は映画『マイノリティ・リポート』やアニメ『サイコパス』のように、犯罪傾向にあるというコンピュータの予測だけで、未だ罪を犯していない一般市民を逮捕する理由を作り出してしまうことになりかねない。

内面の自由が許されず、私的領域が確保されない社会は、最悪の社会と言って差し支えないだろう。
今回の研究が監視社会への第一歩とならないことを祈るばかりだ。

http://tocana.jp/2017/09/post_14409_entry.html

前スレ(1が立った日時:2017/09/09(土) 13:36:06.09)
http://asahi.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1504931766/