ダブル不倫疑惑で離党を余儀なくされた山尾志桜里衆院議員の処遇が“集団離党”の引き金になるのか――。
8日、笠浩史衆院議員(神奈川9区)と後藤祐一衆院議員(神奈川16区)が執行部に離党の意思を伝達した。
来週以降、離党の動きは一気に加速しそうだ。

民進党は、山尾氏が提出した離党届を8日朝に受理。
混乱の早期収拾を目指したが、党内では若手議員の反発が強まっている。

ある若手議員は「山尾氏本人は男女の関係を否定しているのに、党として守ろうとしなかった。
補選を避けるために離党だけさせて、有能な若手の政治生命を奪った執行部の対応は最低だ」と憤慨し、離党を検討中だと話している。
笠氏、後藤氏に続いて離党ドミノが始まる可能性がある。

「笠さんと後藤さんは、新執行部で人事の引き継ぎが終わったら、すぐに離党を表明すると公言していました。
すでに後藤さんは名刺や“のぼり”から『民進党』の文字を消しているそうです」(民進党関係者)

■笠氏、後藤氏は細野氏と連携で新党結成へ

後藤氏が地元で配っているチラシも話題になっていたという。

<政権を厳しく追い込んでいるのは二〇〇九年初当選組の同期やそれ以降の当選組><「受け皿」足りうるかどうかは、この二〇〇九年組の十七人、とりわけ小選挙区で当選している六人あたりがポイント>と主張し、チラシのトップには後藤と並べて玉木雄一郎(香川2区)、山尾氏(愛知7区)、大西健介(愛知13区)、本村賢太郎(比例南関東)、神山洋介(同)の写真が大きく使われている。

「まるで、この6人で集団離党すると言わんばかりなのです。
もともと細野派だった後藤氏と笠氏は、ひと足早く8月に離党した細野豪志氏(静岡5区)が10月に立ち上げを予定している新党に合流するつもりです。
若手エースとされる玉木には、福島伸享氏(比例北関東)や岸本周平氏(和歌山1区)も集団離党を呼びかけているようです。
もし玉木氏まで離党してしまったら激震が走りますよ」(民進党中堅議員)

都議選前後から、民進党はクシの歯が抜けるように、長島昭久氏(比例東京)、横山博幸氏(比例四国)、木内孝胤氏(比例東京)、藤末健三氏(参院比例)らが離党。
そのうえ集団離党となれば、ダメージは計り知れない。

「9月1日の代表選では、8票もの無効票が投じられた。異例の事態です。
前原代表も枝野代表も嫌だという議員が少なくとも8人はいるわけで、彼らは間違いなく離党予備軍です。
幹事長に内定していた山尾議員をあっさり切り捨てたことで、党に見切りをつけた議員も少なくない。
保守系が次々と離党し、長島氏や細野氏との新党結成を目指す方向に動く可能性は高いと思います。
都議選で小池知事のパワーを見せつけられた東京選出の民進党議員は、雪崩を打って離党しても不思議はありません」(政治評論家・有馬晴海氏)

不満がくすぶっていた若手の集団離党騒ぎが一段落しても、10月の補選で負ければ第2波がある。
年内に国政の“小池新党”ができれば、離党希望者は膨れ上がり、解党的状況になりかねない。
山尾氏を離党させた執行部の対応は、やはり間違っていたのではないか。

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/213262