>>617
水戸学ではもう神道を語るときに記紀を参照するだけになってる感じ。生きた神道をフィールド
ワークして分析するというよりは、文献の解釈の話になる。

そして水戸学の大物で、尊王攘夷の理論的支柱となった会沢正志斎のロジックは以下のようなもの。
(参照、会沢正志斎『新論』)

日本の神話にあるように、人間の性はもともと天皇に対する忠、親に対する孝に生きる従順な
ものであり、それが分からぬ野蛮な敵も征服によって天皇に従うようになるものである(以上が
「国体」の考えかた)が、

森羅万象の気の乱れによって人心が迷い、また強力な外敵に襲われて天皇の国が危うくなる
こともありうる。

したがって短期的には、武士を都会に住まわせずに農村に帰し、コメを売って銭を得て商品経済に
依存するような生活を止めせるなどして、軍事力と経済力を強化するほか(まあここら辺の見当は
ずれなアドバイスは今となってはどうでもいい)、儒教や仏教など天皇支配のありかたを妨害する
思想を排除して、

長期的に(国体論的な)神道を広めて国民を教化していくことで、国の存立が安定する。