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シンガポールで、国家の象徴としての役割を担う大統領を選ぶ選挙が13日公示され、シンガポール議会の前議長、ハリマ・ヤコブ氏が無投票で当選し、初めての女性の大統領が誕生することになりました。

シンガポールの大統領は、多民族国家のシンガポールを統一する国家の象徴的な存在で、1期6年の任期で投票で選ばれます。

選挙は任期満了に伴って13日公示されましたが、シンガポール議会の前議長でマレー系のハリマ・ヤコブ氏(63)のほかに立候補の要件を満たす候補者がいなかったことから、ハリマ氏の無投票での当選が決まりました。

ハリマ氏はシンガポールでは初の女性大統領となり、マレー系としても初代以来、およそ50年ぶりです。

シンガポールの大統領の選出をめぐっては、法律の改正により、5期続けて特定の民族から大統領が選ばれていない場合、続く選挙では選ばれていない民族の候補者だけが立候補できるようになりました。

シンガポール政府は、この法律を基に、今回立候補を少数民族のマレー系に限定しました。

シンガポール政府は、法改正は多民族国家の多様性を示すためだとしていますが、特定の民族を優先し、かえって不公正だという指摘も出ています。

大統領に就任することになったハリマ氏は演説を行い、「候補者の民族を限定した選挙となったが、私の当選が約束されていたわけではない。無投票当選であってもすべての国民を代表する大統領として、国民のために働く意思に変わりはない」と述べています。

9月13日 21時03分

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