埼玉、群馬両県の系列総菜店で購入した総菜を食べた人が腸管出血性大腸菌O157に感染し、東京都内の女児(3つ)が亡くなった集団食中毒問題で、死亡した女児らから検出され、全国的に広がっているO157の遺伝子型と同じ菌が、富山県内の感染者三人からも検出された。十九日、県が発表した。

■12都県目

三人は、八月に感染した富山市内の三十代女性と同僚の七十代女性、高岡厚生センター管内の五十代男性。すでに全員が回復している。三十代女性は急性腎不全などの原因となる溶血性尿毒症症候群(HUS)を併発して一時入院した。

国立感染症研究所に遺伝子検査を依頼して判明した。県は厚生労働省が今月、都道府県に出した通知を受け、三人から聞き取り調査も実施したが、感染源は分かっていない。三人は関東方面には行っておらず、系列総菜店の商品も食べていないという。

同省によると、これまでに富山を含め少なくとも全国十二都県で、同一の遺伝子型の菌が確認された。

県健康課の担当者は「手洗いなどをしっかりするととともに、腹痛や下痢があったら医療機関で検査してほしい」と呼び掛けている。 (山中正義)

配信2017年9月20日
中日新聞
http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2017092002100014.html