首相 国連総会で演説 安保理決議 厳格な履行を
9月21日 4時31分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170921/k10011150051000.html?utm_int=news_contents_news-main_001&;nnw_opt=news-main_a

ニューヨークを訪れている安倍総理大臣は国連総会での一般討論演説で、過去の北朝鮮との対話は核開発などの放棄につながらなかったと指摘し、「北朝鮮の挑発を止めることができるかどうかは国際社会の連帯にかかっている」と述べ、すべての加盟国に対して一連の安保理決議の厳格かつ全面的な履行を呼びかけました。
演説の冒頭、安倍総理大臣は、女性支援や安全保障理事会の改革など紹介するテーマが多くあるものの北朝鮮問題一点に集中せざるをえないとしたうえで、北朝鮮が核実験を強行したことなどに触れ、「このたびの危機は独裁者が大量破壊兵器を手に入れようとするたび、われわれがくぐってきたものと、質において次元の異なるものだ」と指摘しました。

そのうえで、安倍総理大臣は、「北朝鮮の核兵器は水爆になったか、なろうとしている。その運搬手段は早晩、ICBM=大陸間弾道ミサイルになるだろう。これをもたらしたのは『対話』の不足では断じてなかった」と述べました。

そして、KEDO・朝鮮半島エネルギー開発機構や、6か国協議を通じた北朝鮮との対話が核開発の放棄などにつながらなかったと指摘し、「対話による問題解決の試みは無に帰した。北朝鮮にすべての核・弾道ミサイル計画を完全で検証可能かつ不可逆的な方法で放棄させなければならない。そのために必要なのは対話ではない。圧力だ」と強調しました。

さらに安倍総理大臣は、「核・ミサイルの開発に必要な、モノ、カネ、ヒト、技術が北朝鮮に向かうのを阻み、累次の決議を完全に履行させる。必要なのは行動だ。北朝鮮による挑発を止めることができるかどうかは国際社会の連帯にかかっている」と述べました。

そして、横田めぐみさんが北朝鮮に拉致されてから、ことし11月で40年になることにも触れ、拉致・核・ミサイルなど諸懸案の包括的解決に向けて、国連のすべての加盟国に対して一連の安保理決議の厳格かつ全面的な履行を呼びかけました。

第2次安倍政権発足後、安倍総理大臣が国連総会の一般討論演説を行うのは今回で5回目ですが、政府関係者によりますと、ここまで北朝鮮にしぼって演説したことは過去にないということです。